2006年施行の会社法改正のポイント

今年度施行の会社法改正の要点のみ分かり易く解説しました。
法務省の関連ページは⇒こちら
1.改正ポイント1 最低資本金制度撤廃

 これが会社法改正の一番大きなポイントと言えます。
 2003年に「中小企業挑戦支援法」の制定により「確認会社・1円会社」の制度が出来ました。これも「最低資本金免除」が大きなポイントでしたが、これはあくまでも「特例措置」だったのです。来年の「新会社法」の施行後は最低資本金制度は完全になくなります。(従来は、最低資本金として、「株式会社」⇒1,000万円  有限会社⇒300万円 が必要でした。)
 今後は「資本金1円以上」で会社が設立できるのです。(但し、設立における法定実費は必要)

2.改正ポイント2 役員の制限がなくなる

 これまで「株式会社」を設立する際には、取締役3名・監査役1名が必要でした。今後は、「取締役1名」で「株式会社」を設立することが出来ます。(正確には全ての「株式会社」が1人でよいというわけでなく、あくまで「譲渡制限タイプ」の中小企業です。)これも資本金制度撤廃に次ぐ大きなポイントです。

 上記1円資本金と合わせると、「お金がなくても、人がいなくても「株式会社」が作れる」ということです。
 ※ただし、取締役1人で会社を設立する場合もメリットとデメリットがあり、注意が必要です。また、役員の任期に関しても若干の変更があります。

 新会社法施行後は、
 「株式会社」→取締役2年、監査役4年
 (ただし、定款により取締役、監査役ともに最長10年までのばすことも可能)
 既存の「有限会社」→任期なし
 となります。

 これによって、これまでは任期毎に役員に変更がなくとも再任の手続きが必要でした。手間もかかり、費用も最低1万円かかります。(専門家に依頼すれば更に数万円)定款で任期10年と定めれば、最大10年は手続き不要となります。

3.改正ポイント3 類似商号の規制廃止

 「商号」とは「社名」の事で、これまでは自由に決める事ができませんでした。同一市区町村内では全く同じ、或いは混同しやすい似たような名前は付けられず、設立の際や社名変更の際には管轄法務局まで出向き、商号のチェックをしなければなりませんでした。これが所謂「類似商号調査」と呼ばれるものです。

⇒類似商号に関してはこちら

 類似商号をチェックする際は事業目的のチェックもしなければならず、手間がかかる作業でした。専門家に依頼すれば費用も数万円かかります。今回の改正により、この規制はなくなり、手続きは簡素化され、専門家の報酬も安くなります。

 ※ただし、これはあくまで登記法上のルール変更ですので、有名大企業との類似などは商標権等の問題があります。また、同一住所、同一商号は相手に混乱を与えますので、今後もこの点の規制は残ります。

4.改正ポイント4 保管証明書不要

 これまでは会社を設立する際には銀行で「別段預金」というものを作り、資本金を払込み、「保管証明書」を発行してもらう必要がありました。銀行はなかなか資本金の払い込みに応じてくれませんし、手数料を銀行に支払うにも係わらず、取引実績がない場合は断られることがありました。
 これが新会社法施行後は単なる「残高証明」で良い事になりました(発起設立の場合による)。 残高証明は比較的早く(ほぼ翌営業日に)発行してもらえますし、手数料も200円です。

5.改正ポイント5 「有限会社」はなくなるのか

 会社法改正後は「有限会社」を作れませんが、現在の「有限会社」をそのまま残す事ができます。そこで、今のうちに「(確認)有限会社」を立ち上げておくべきかどうかという問題が生じます。

 「有限会社」設立のメリットを考えてみます。

 もはや資本金の問題は「株式会社」でも「有限会社」でも関係ありませんので、それ以外を挙げますと以下の通りです。
     
  • 「株式会社」より設立費用が安い(登録免許税の6万円は最低でも必要)
  • 取締役1人でもよい
  • 役員の任期がない
  • 決算公告が不要(「株式会社」は義務)

⇒「有限会社」のこれからについてはこちら

新会社法関連の専門用語集
  • 「株式譲渡制限会社」・・・株式を譲渡(売却)する際に会社の取締役会の承認を得なければならない、と定款で定めている会社のことで、ほとんどの会社はこちらに該当します。(その売却を認めない場合には、会社が新たな売却先を指定することになります。)
     これによって全く知らない第三者や会社にとって迷惑な人物が株主になることを防ぐ事ができます。新会社法の下では、この「株式譲渡制限会社」のみ取締役1人の「株式会社」を設立する事が出来ます。
  • 「特例有限会社」・・・新会社法の下では「株式会社」しか作れなくなります。しかし、既存の「有限会社」は登記簿上は「株式会社」の区分になるものの、実質的には「有限会社」として存続し続けます。これを「特例有限会社」と言います。

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