A7 離婚に伴う財産分与と税金  

 分与した人が、その資産を時価で譲渡したことになります。その資産が居住用不動産である場合には、一定の要件を満たしていれば、3,000万円の特別控除の特例などを受けることができます。

〔譲渡所得関係〕 離婚に伴う財産分与等による住宅や土地の引渡しは、配偶者の財産分与等請求権に対応する財産分与等義務の消滅という経済的利益を対価とする有償譲渡とみられます。このような場合、分与等をした財産をその分与等の時における時価(通常の取引価額)により譲渡したものとして、譲渡所得の金額を計算することになります。
 問題となるのは、居住用財産を譲渡した場合の特別控除等の適用がないものとされる特殊関係者への譲渡となるかどうかですが、財産分与等は離婚が成立した後になされるものですから、特殊関係者である配偶者に対して譲渡したことにはなりません。
 したがって、他の要件を満たしている限り居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例及び軽減税率の特例が適用されます。

〔贈与税関係〕 離婚に伴う財産の分与、慰謝料の支払は贈与には該当しませんから、通常、財産の分与、慰謝料の支払を受けても贈与税は課税されません。ただし、その法形式が財産の分与等ということであっても、その分与等を受けた財産の額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮してもなお過大であると認められる場合のその過大である部分、又は、離婚を手段として租税の回避を図るものと認められる部分については、その実質により贈与によって取得したものとみなされます。

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